大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(う)1929号 判決

被告人 守谷清

〔抄 録〕

弁護人の論旨第三点について。

百貨店のように商品が山積しており、管理者がその保管にかかる物品全部にわたつて監視することが容易でないような場合には、その品物が窃取されたことに気づかず、犯行日時から数ケ月後に、警察署からの通知により、提出した「……開店時間中一般客にまぎれて店内に入り、店員の隙を見て盗んだものと思われる」旨の被害届でも、それが犯人の自供に副い、かつその品物を質入れした事実を認めるに足る証拠もあり、なおその品物が現存しているような場合には、その被害届は窃盗の犯罪事実認定の補強証拠となりうるものと解するのを相当とする。(最高裁一小法廷昭和三二年五月二三日決定・刑集一一巻五号一五三二頁参照)から、これを証拠に採用した原判決には毫も違法の廉はない。所論は「デパートの保安係ないし店員の作成した被害届はその者が犯行を現認した場合の他は信用性がない。」と主張しているが、右の如く制限を加えなければならない根拠は存しないから所論は到底採用し難く、本論旨も理由がない。

(三宅 河原 下関)

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